hiroaki hoshi photographer

鳥海山

 雲海に浮かぶ尾根をひとりの女が登っている。見渡すかぎりの青空で、陽の光をさえぎるものはなにもない。上空から見るかぎり、女の足取りは軽やかだ

出羽三山

 十年近く前のことだと思う。ひとりで岩手、青森、秋田と周り、旅の最後に山形県、月山の麓にある注蓮寺に立ち寄った。森敦の小説の舞台となった寺で